心理学では人格の原型は4、5歳には出来上がっていると言われています。乳幼児期に主に接することになる家族とのかかわりの中で、劣等感や優越感というものも感じ、その後の人生をどちらを優位にした思考で進んでいくのかが決まっていくのです。
しかし、劣等感を感じやすいからと言って、それを変えることはできないのかといえば、それは違います。あくまでも原型ができているに過ぎないので、周りの家族の接し方や自分自身の考え方をトレーニングすることで、前向きに考える癖付けをしていくことは可能になります。
親としては劣等感を抱えて成長していく我が子は好ましく感じないでしょう。どのように接することで、前向きな思考で困難にも立ち向かっていくことができるようになるのか。その接し方のコツをお教えします。
劣等感が生まれる要因
劣等感とは過去の経験による周囲からの低い評価によって、その苦しみかに堪え切れず、自分自身もその評価を受け入れることにより外的攻撃を避けようとする自己防衛反応から作り出される思考です。
小さい頃より、「なぜできないんだ」「早くしなさい」「だからダメなんだ」「〇〇ちゃんはちゃんとしているのに」などの言葉を浴びせ続けられることで「どうせ自分はダメなんだ」という自己評価に至るのです。
逆に甘やかされて育ってきた子どもも劣等感を覚える時期が来ます。兄弟が生まれたり、大きくなるにつれ自分に注がれていた愛情が分散されたり、学校などでは自分で困難を乗り超えていかなければならない場面が出てきます。いあまで、何でも親が先回りして困らないようにしてくれていた子には耐えがたいことでしょう。そのような状況にいつもさらされるようになるため、次第に劣等感として現れてくるのです。
劣等感を持つ子どもへの対処の仕方
劣等感を持った子どもは不満が多い、落ち着きがない、様々なものに興味を示す、生意気、反抗的な態度等の特徴を占めることが多く見うけられます。
このような劣等感を強く感じている子供に対しての最良の対処方法は「勇気づける」ことです。失敗は決して悪いことではないんだということを理解させ、失敗も体験として自分の成長につながる経験を応援するのです。頑張れた子どもも頑張れなかった子どももどちらも認めて応援する姿勢を親が持つことです。
どのような状況でも、親がいつもおおらかでいることに子どもは安心し、徐々に劣等感に感じていたことがそれほど悪いことではないと感じてくることでしょう。
ここで問題なのは親の方です。否定的な言葉を並べたり、過剰に甘やかしてきた親の考え方や行動を大きく変える必要があるからです。自分が変わらなければ子どもは変わりません。そのことに向きあい、親子で取り組んでいかなければなりません。
効果もすぐに表れるというものでもなく、そういえば気持ちの持ち方が変わってきたなと感じられるのはずっと後になるかもしれません。
しかし、人は気持ち次第で変わることができます。我が子の将来を明るいものにするために是非「勇気づける」会話を心掛けるようにしていきましょう。
繰り返しますが、失敗することは決して悪いことではありません。
失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう
何度もの失敗を繰り返したトーマス・エジソンの言葉です。
まとめ
親としては劣等感を強さに変えて行けるように成長してほしいとの願いを持つでしょう。常に「勇気づけ」そのような行為も「認める」姿勢で接することで、前向きな思考で困難にも立ち向かっていくけるメンタルを身につけるようになるでしょう。
成長過程での結果の良しあしにこだわることは子どものメンタルに大きな影響を与えます。アスリートにとっては結果も大切であることは理解できますが、本当に今その結果が必要なのか、優先順位ををよく考えていくようにしてください。
小さいうちは親子で楽しむことが、将来の強さにつながることも大いにあると思います。
そういう私も、子どもが小さい時に随分と厳しくしていたので、親の焦る気持ちも良くわかりますけどね。今思えば、それが遠回りの原因だったかなあと感じています。
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